ハイエンド版、すなわち高性能版の新型PS4をSIEが開発している事をCEOが認めました。
ではなぜソニーはハイエンドPS4を作るのか、売るのか、その理由について解説します。
5年ぶりのGPU製造プロセスの微細化
現行のPS4に搭載されているGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)は、28nmのプロセスルールで製造されています。
プロセスルールはこれまで1~2年でシュリンク(微細化)されてきましたが、28nmプロセスで製造させる半導体は2011年から2015年まで一度も微細化されませんでした。これは製造が難しかったためです。
製造プロセスが微細化されると、性能の向上や消費電力の低減、低発熱化が可能になります。
そして2016年、製造プロセスの微細化が5年ぶりに行われました。
14nm/16nm FinFETと呼ばれる新たなプロセスルールの半導体は明らかな性能向上と低消費電力化を実現しました。
その証拠に、AMDやNVIDIAが新たに発売するビデオカードは、一つ前の世代のものと比較して圧倒的な性能及び電力効率の向上を実現しています。価格対比で倍といっても過言ではないほどです。
マルチプラットフォーム技術の熟成
PS3時代に、複数のプラットフォームに跨ってゲームを発売する「マルチプラットフォーム」が主流となりました。
ゲーム機ごとの性能差を考慮し、それぞれのゲーム機に適切なグラフィックス設定を選択するというのが比較的容易になったわけです。
現行のPS4と高性能版PS4の性能差はさすがにPS3とPS4ほどはありません。
ですので、フレームレートを60fpsにするとか、解像度を1080pにするとか、その程度のことで済んでしまいます。
これにより、各メーカーも「NEO」と呼ばれる新型PS4の登場に大きな反発もありません。
PlayStation VRとのシナジー
ハイエンドPS4が登場する大きな理由が、2016年10月に発売予定の「PlayStation VR」です。
バーチャルリアリティ。VRヘッドマウントディスプレイ
VRゲームは高い画面解像度と、高いフレームレートを要求します。
したがって、現行PS4の性能では動作しないVRゲームが将来登場してもおかしくありません。
この時、PS4 NEOなら快適に動作するのであれば、ゲームソフトメーカーもNEO向けにならVRのゲームソフトを発売できるという判断が可能となります。
「PlayStation VR」の登場も、ソニーがPS4 NEOを製造することになった理由だと言えるでしょう。
4Kテレビの普及を見据えて
理由としては弱いですが、今後4Kテレビが普及することを見据えて、あるいは4Kテレビを普及させるためというのもあります。
しかし、フルHDと比較して4倍も解像度が高い4K画質でゲームを動作させるのは並大抵のことではありません。
10万円近くするような現行のハイエンドビデオカードを搭載したPCでも60fpsで動作させるのは難しいです。
おそらく高性能版のPS4でも4Kゲームは難しいのではないかと思います。
シャープ 50V型 4K 液晶テレビ AQUOS 4K LC-50U30
- 出版社/メーカー: シャープ
- 発売日: 2015/06/30
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る