バーチャルリアリティの時代がもうそこまで来ています。
ValveのSteamVRが早ければ今年中に、ソニーのProject Morpheusは早ければ来年上半期に発売されます。
VRヘッドセットは頭の動きにあわせて3D映像を動かすことができるので、まるで仮想空間の中に入っているかのような感覚を味わうことができます。
この技術がここ数年で一気に注目を集めて研究が進められています。
そんな中、海外メディアが「プレイステーション4はすでにバーチャルリアリティをリードしている」という記事を公開しました。
The PlayStation 4 is already leading the virtual reality arms race, here's why | Polygon
PS4とプロジェクトモーフィアスがバーチャルリアリティをリードしている理由をこの記事から紹介します。
▼プロジェクト・モーフィアス
現時点でプロジェクト・モーフィアスは最もつけ心地の良いヘッドセット
VRヘッドセットは顔にしっかりと装着しなければならず、そこそこの重さもあるのでつけ心地が悪いと数十分でも耐えられなくなります。
プロジェクト・モーフィアスはバイザースタイルで圧迫感や疲労が少なく、一本のバンドだけで頭部に固定することで着脱が楽なデザインになっています。
GDC 2015ではこの部分が高い評価を受けています。
製品化の際にはさらに軽量化がなされるようです。
PS4をアップグレードする必要がない
ソフトの開発者たちはPS4の性能がどの程度なのかを理解しています
したがって、開発者はPS4で動くようなソフトを作ることになるわけですが、ユーザーはこれにあわせてPS4の新しいバージョンを買ったりする必要がありません
VRヘッドセットだけ買ってくればいいのです。
もちろん十数万円するようなゲームPCの方がPS4より性能は上です。
しかし、VR対応ゲームソフトが発表されるその時まで、どんなスペックのPCが必要なのかはわかりません。もしそのVR対応ゲームが自分のPCの環境よりも高い動作環境を要求するなら、PCをアップグレードしなくてはなりません。
これは一般の消費者にとっては壁になる要素です。
また、PCの場合は人それぞれ環境が異なるので、要件を満たしていてもある人のPCでは快適なのにある人のPCでは何か問題が発生するということが考えられます。
これは時間が経てば解決しますが、最初のうちは敷居が高く感じるはずです。
また、将来ゲームストリーミングが発達した場合、PS4の性能以上のゲームをクラウドストリーミングを使ってプレイすることも可能になるでしょう。
すでにコントローラーがある
PS4には空間認識が可能なプレイステーションカメラがあります
PlayStation®Camera | プレイステーション® オフィシャルサイト
プロジェクトモーフィアスはこのプレイステーションカメラの機能を使って位置を認識します
このカメラは人間の動きも認識できますので、ゲームプレイの入力装置としても機能します。
また、数年前に発売したモーションコントローラーの「PlayStation Move」があります。
これもVRとは相性が良い周辺機器です。
もちろん、我々になじみのあるデュアルショック4コントローラーによる操作も考えられます。
このように2015年時点で既にVRゲームにも使えそうなコントローラーがいくつも揃っています。
開発会社との関係
SCEは長年のゲーム事業によって、様々なメーカーとパイプラインを持っています。
最近はインディーデベロッパーとも協力しています
まだ未開拓の分野であるため、多くの開発会社との協力は欠かせません。
他のハードウェアメーカーと提携する必要がない
Valveの場合はHTCと提携したり、Oculusの場合はサムスン等と提携したり、必ずしも単独でVRヘッドセットを作っていません。
しかし現在、単独でVRヘッドセットを開発し、さらに販売もできる唯一の企業がソニー・コンピュータ・エンタテインメントです。
ゲーム機も周辺機器もVRヘッドセットも同じ会社の中で開発・販売できるわけです。
VRヘッドセットに関して他の企業とビジネス面の交渉が不要というのは、リソースを考えるとかなり有利だと思われます。
PS4 - Project Morpheus - Sony's Virtual Reality Headset Trailer (GDC 2015) - YouTube
このようにプロジェクト・モーフィアスは現時点ではかなり良い位置にいるわけですが、まだ誰も足を踏み入れていないバーチャルリアリティの世界がどうなるのか、2016年が待ち遠しいです。
でも、たぶんVRヘッドセットは最初のうちはかなりお高いです。10万はしないと思うけど。