PS5の技術仕様の詳細が明かされ、カスタムコントローラーでボトルネックを解消したSSDが搭載されていることも判明した。
非圧縮で5.5GB/sの転送速度が実現されている。
では、具体的にどういった恩恵があるのかを簡単に説明する。
2017年に発売された「ドラゴンクエスト11」では、開発段階で「ルーラ」が問題になったことが明かされている。
ドラクエ11のPS4版でルーラを使った時に、開発段階ではルーラを使う度に数分もの長い読み込み時間がかかっていたようだ。
ルーラで違うエリアに移動するとその都度周囲の環境データを読み込む必要があったためだ。
このため、ロード時間をなんとかする解決策として、まず井戸の中にルーラで飛んで、そこから出てくる間にデータを読み込むという案も検討されていたという。
結果的には、Unreal Engineの開発元であるEpic Gamesと協力し、ルーラを使った際にできる限りロード時間を削減するような手段が考案され、今の形になったと明かされている。
この原因はもちろんHDDの読み込み速度だ。
HDDの読込速度は良くてシーケンシャル100MB/s程度であるため、環境データが2GBなら最低でも20秒はかかってしまうことになる。
実際には、HDDはランダムリードが遅いためもっと長い時間がかかってしまう。
しかしPS5に搭載されるような高速なSSDの場合、1秒間に5GBものデータを読み込めるので、このルーラの場合は1秒以下で読み込みを完了できる可能性が高い。SSDはランダムリードも速い。
開発者があの手この手で短縮させていたロード時間だが、PS5ならそんな苦労も不要になるということだ。
次世代ハードのゲームは、HDDによってこれまでかけられていた呪縛から解き放たれるといっても過言ではないだろう。
オープンワールドゲームにおける「ファストトラベル」も同様にこの恩恵を受けるだろう。
ファストトラベルもルーラと同じで他のエリアに瞬間移動するものだが、既存のストレージでは長いロード時間を必要としていた。
しかし、PS5に搭載されるような特殊なSSDでは、このファストトラベルも数秒で読み込みは完了することになるはずだ。
これを見ると、「PCにSSDを積んだらいいんじゃないの?」と思う人もいるだろう。
しかしそう単純にはいかない。
▼比較動画ではNVMe SSDがSATA SSDとさほど変わらないのがわかる
PCで高速なNVMe SSDにゲームソフトをインストールしても、ソフト側がNVMe SSDを使うことを前提のコードで書かれていないと大して速くならない。
PCユーザーの誰もがNVMe SSDを使っているわけではないので、ゲーム側がそれを前提にすることができないからだ。 PCは様々な環境が存在するので、SSDが余程普及しない限りはその変更を加えることは難しい。
さらに、PS5にはSSD用のカスタムコントローラーが搭載されており、これによって読み込み速度を向上させることに繋がっている。
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- 発売日: 2019/02/08
- メディア: Personal Computers
「PS5用ソフト」として発売されるゲームが登場した場合、この5GB/sという読み込み速度を前提にしたコードが書かれる可能性が高い。